海神よ 空溶かして いづる日も 運び見守る 永遠の育み


海と空の堺
海と空がひとつになる境をじっと見つめていると、互いが溶け合い、境界線がふわりと消えていくように感じられます。
その曖昧な境目には、昼と夜の営みが静かに繰り返されているのです。
東の空からは光がそっと顔を出し、水平線の彼方から一日がはじまります。
そして夕暮れには、ゆっくりと日が沈み、空も海も静けさに包まれていきます。
満ち欠けを繰り返す月もまた、同じ場所で同じ営みを続けています。
この日常の繰り返しの中に、どこか終わりのない循環と、確かな秩序を見出すことができます。
境界線が曖昧になればなるほど、そこには広がりと無限の可能性が宿るのかもしれません。
海と空が溶け合う瞬間は、自然の静かな息遣いを感じるとともに、私たち自身の内面もまた溶け合い、静かにひとつになるひとときのように思えます。
この風景を見つめながら、時の流れと自然の営みを思い、詩を紡ぐ手が止まらなくなるのです。
海と空の境がぼんやりと溶けるように、言葉もまた心の中でゆっくりと溶け合い、やわらかな調べとなって紡がれていきます。
そんな静かな世界のなかで、私はただ、深い息をつき、自然の声に耳を傾け続けるのです。
意訳
海の神よ、空さえも溶かすようなまばゆい陽の光を
毎日昇らせ、見守り、運んでくださる――
あなたのその永遠のような愛が、この世界を育んでいるのです。